父の話。ちょっと長いけど。
親父は警備員なのです。
実家に帰るといろんなことを話してくれるんやけど、その中の「不思議なような、別にそうでもないような」な話。
雨の日、いつものように警備していると、親父の目の前にハイヤーがとまり、そこから重役が出てきた、そして傘をさして、重役を濡れないようにしている運転手。親父もその重役も運転手もだいたい同じくらいの年齢だったそうです。その光景をみて親父は、「同じくらいの年齢でも傘をさす人、さされる人、いろんな立場がいるもんだ」という感慨にふけったそうです。
仕事帰り。無料の駐輪所に自転車をとめていた親父は、自転車を出そうとしていたんですね。ところが、その日の駐輪場は混んでいて、自転車をだすのが一苦労だったそうです。で、丁度屋根もないところに自転車をとめていたみたいで、雨は降っているけど、自転車をそこから出すことが先決だってことで、傘を閉じて、自転車をだそうとしていたそうです。それでとりかかろうとしたら、ふと雨が体にかかっていないことに気づきました。不思議に思い、顔をあげると、なんと女の子が傘をさしてくれていたそうです。親父は、「ああそうか、この娘は隣の自転車なんだな、待っている間、傘をさしてくれるなんていい娘だな。早く自転車を出そう」と思ったそうです。
で、「ありがとう。君はどこに自転車とめているの」と聞いたそうです。そうすると、「いえ、私は自転車はどこにもとめてないです」と言われたそうです。
!!!!
親父はいろいろ考えたそうです。いくら親切な娘といえど、おかしくないか、見ず知らずの人間に労を惜しんで傘をさしだすなんて。変な商売の人ではないか。でもどれも違うような気がするそうです。それで自転車を取り出した親父は、「ありがとう」と礼をいってそそくさと帰ってきたらしいです。親父が立ち去るまでの間、その子は見送ってくれたとのこと。幽霊の類いでも絶対ないそうです。
傘にまつわる2つの出来事を同日に体験した親父はとても不思議がっていました。こんなんあるか?としつこく言ってきました。妹も母も同じ話をされていました。2つの出来事がリンクしていることが特に不思議だったそうです。これがフィクションならその娘は運転手の娘(もしくは重役の娘)ですよね。現実はなんなんやろ。親父はモテキなんですかね。それとももう少ししたらその子に壷とか買わされるんでしょうか。圧倒的後者ですね。徳日家は貧乏になりますが、親父の選択ならそれもまたよしです。
2010年6月24日木曜日
2010年6月20日日曜日
みつばちの羽音と地球の回転
みつばちの羽音と地球の回転 http://888earth.net/index.htmlを一足早く見ました。
監督 鎌仲ひとみ
生活(祝島)対 社会(中部電力)
こういう構図だったと思う。この構図を成立させているのは、祝島の生活(映像)、さらには生活が大事なんだ、という島の人の想い(コメント)を撮り(録り)きった鎌仲さんの描写力だと思う。映画では持続可能なエネルギーというのが、いかに実現可能なものかを立証するためにスウェーデンまで行き、祝島の人の活動を後押しする。つまり監督は、中立的にこの対決を撮るのではなく、祝島の活動の味方なんですね。このスタンスがあるが故に引き出せた島民の表情があるんです。ああ、これぞドキュメンタリーだなと思いました。
でも思いきってスウェーデンパートが無い方(僕が一度寝てしまっただけですが…)が、いびつなエネルギーが炸裂した美しい映画になったと思います。偉そうですが…。
「持続可能なエネルギーを選択する」という映画の主題を僕の生活レベルで実感出来るまで、おいそれと、「原子力や石油から自然エネルギーに乗り換えるべきだ!」ということは言えません。それでもこの映画はいろいろなことを教えてくれます。風力発電の巨大プロペラって4日で設立できるそうですよ。
で、この映画6月23日京都精華大学 18時半から黎明101で見れます。京都初公開です。監督も来訪されるそうです。ドキュメンタリーはこういう問題に興味の無い人が見て、「ああやっぱり、どうでもええわ」とか「お、ちょっと考えさせれた」とか思ってもらうのが、本望だと思うんです。内輪で褒め合っててもねぇ。ですんで、恋や夏フェスやAKB48に忙しい学生さんも、是非見てね。
上映の詳細以下
長編ドキュメンタリー映画
『ミツバチの羽音と地球の回転』
グループ現代・制作、鎌仲ひとみ監督作品、2010年
上映 + 監督トーク・交流会
2010年6月23日(水) 17:45開場 18:00開始
上映時間135分 トークは20:30頃から
質疑応答もあり。
トークと質疑の部は、Ustream中継も準備中
(うまく行ったら、ご喝采)
場所: 京都精華大学 黎明館(れいめいかん)L-101番教室
http://www.kyoto-seika.ac.jp/access/
入場無料(カンパ歓迎)
(鎌仲監督の関連作品の展示・販売もあります。)
主催: 京都精華大学 環境教育指導者養成プログラム
共催: 京都精華大学 プロジェクトじんぶん(連続シリーズ #4)
監督 鎌仲ひとみ
生活(祝島)対 社会(中部電力)
こういう構図だったと思う。この構図を成立させているのは、祝島の生活(映像)、さらには生活が大事なんだ、という島の人の想い(コメント)を撮り(録り)きった鎌仲さんの描写力だと思う。映画では持続可能なエネルギーというのが、いかに実現可能なものかを立証するためにスウェーデンまで行き、祝島の人の活動を後押しする。つまり監督は、中立的にこの対決を撮るのではなく、祝島の活動の味方なんですね。このスタンスがあるが故に引き出せた島民の表情があるんです。ああ、これぞドキュメンタリーだなと思いました。
でも思いきってスウェーデンパートが無い方(僕が一度寝てしまっただけですが…)が、いびつなエネルギーが炸裂した美しい映画になったと思います。偉そうですが…。
「持続可能なエネルギーを選択する」という映画の主題を僕の生活レベルで実感出来るまで、おいそれと、「原子力や石油から自然エネルギーに乗り換えるべきだ!」ということは言えません。それでもこの映画はいろいろなことを教えてくれます。風力発電の巨大プロペラって4日で設立できるそうですよ。
で、この映画6月23日京都精華大学 18時半から黎明101で見れます。京都初公開です。監督も来訪されるそうです。ドキュメンタリーはこういう問題に興味の無い人が見て、「ああやっぱり、どうでもええわ」とか「お、ちょっと考えさせれた」とか思ってもらうのが、本望だと思うんです。内輪で褒め合っててもねぇ。ですんで、恋や夏フェスやAKB48に忙しい学生さんも、是非見てね。
上映の詳細以下
長編ドキュメンタリー映画
『ミツバチの羽音と地球の回転』
グループ現代・制作、鎌仲ひとみ監督作品、2010年
上映 + 監督トーク・交流会
2010年6月23日(水) 17:45開場 18:00開始
上映時間135分 トークは20:30頃から
質疑応答もあり。
トークと質疑の部は、Ustream中継も準備中
(うまく行ったら、ご喝采)
場所: 京都精華大学 黎明館(れいめいかん)L-101番教室
http://www.kyoto-seika.ac.jp/access/
入場無料(カンパ歓迎)
(鎌仲監督の関連作品の展示・販売もあります。)
主催: 京都精華大学 環境教育指導者養成プログラム
共催: 京都精華大学 プロジェクトじんぶん(連続シリーズ #4)
2010年6月16日水曜日
まぁ映像についてかな
アジアプレスから頂いたドキュメンタリー
『北朝鮮に帰ったジュナ』拝観。
良いドキュメンタリーだった。丁寧なタッチ。誰が見てもちゃんとある種の情報を受け取ることが出来るとてもしっかりしたドキュメンタリ。ドキュメンタリならではの偶然のドラマもある。カメラも良かった。
ただ、これじゃ届かない社会や、これじゃ射抜けない生活者のハートがある、とも思った。欲張りすぎなのかな。もっとジュナさんの心情に寄り添いたかった。ご飯食べてるところとか、寝ているところとか、TVをぼんやり見ているところだとか、構成は弛んでしまうけど、1シーン入れて欲しかった。切実に入れて欲しかった。ジュナさんとて過去を語るだけの生き物ではない。それがあったら最後の海が余計いい。これを見て自分が大事にしている部分がおぼろげにわかったかもしれない。
今日、過去に自分が学生時代に作ったなつかしの映画『ライク ア ローリングストーンズ』を、S先生が授業で学生に見せたそうだ(!)で、授業これないかともいわれたけど、急過ぎて授業にはいけなかった。ただ久々に思い出の引き出しを開けられた気になり、あの映画を見直したくなった。なんとも恥ずかしい心情を扱った映画であるし、実際見たら恥ずかしくなるんやろうけど、自分の意思で恥ずかしい心情を扱いたかったのだし、スタッフみんなそれを共有してくれたのだから、恥ずかしいことに堂々としてればいいかなと思う。逆にもっと恥ずかしくしても良かったな。
今日はここまで。蚊に足の指かまれた。
じゃ。
『北朝鮮に帰ったジュナ』拝観。
良いドキュメンタリーだった。丁寧なタッチ。誰が見てもちゃんとある種の情報を受け取ることが出来るとてもしっかりしたドキュメンタリ。ドキュメンタリならではの偶然のドラマもある。カメラも良かった。
ただ、これじゃ届かない社会や、これじゃ射抜けない生活者のハートがある、とも思った。欲張りすぎなのかな。もっとジュナさんの心情に寄り添いたかった。ご飯食べてるところとか、寝ているところとか、TVをぼんやり見ているところだとか、構成は弛んでしまうけど、1シーン入れて欲しかった。切実に入れて欲しかった。ジュナさんとて過去を語るだけの生き物ではない。それがあったら最後の海が余計いい。これを見て自分が大事にしている部分がおぼろげにわかったかもしれない。
今日、過去に自分が学生時代に作ったなつかしの映画『ライク ア ローリングストーンズ』を、S先生が授業で学生に見せたそうだ(!)で、授業これないかともいわれたけど、急過ぎて授業にはいけなかった。ただ久々に思い出の引き出しを開けられた気になり、あの映画を見直したくなった。なんとも恥ずかしい心情を扱った映画であるし、実際見たら恥ずかしくなるんやろうけど、自分の意思で恥ずかしい心情を扱いたかったのだし、スタッフみんなそれを共有してくれたのだから、恥ずかしいことに堂々としてればいいかなと思う。逆にもっと恥ずかしくしても良かったな。
今日はここまで。蚊に足の指かまれた。
じゃ。
2010年6月8日火曜日
『母なる証明』
『母なる証明』 ポンジュノ
映画はサスペンス映画としての駄目な部分を補ってあまりある人間ドラマといった感じ。この映画の気持ち悪さってお母さんの気持ち悪さで、綺麗事で語られる母性と対になって存在するもんだと思う。そもそも綺麗事で語られる母性を体現するには、これくらいの気持ち悪さがないと無理なんやな。うまくいろいろ書こうと思いましたが、どうも思いが頭の中でいったりきたりなのでこの辺で。あと一つだけ。映画はすごく巧かった。テーマを監督が俯瞰で見れてる証拠だと感じた。時間をかけて噛み砕いてる。
矢沢永吉と糸井さんのお金についての対談も面白かった。これも言葉がいまいちまとまらない。けど、自分にとって怒ることと捨てることがほんとに重要やなと感じた。僕はまだまだ。
恒例リンクシリーズ。読んでみて。
編集技法
http://ws09edit1.blog22.fc2.com/
映画はサスペンス映画としての駄目な部分を補ってあまりある人間ドラマといった感じ。この映画の気持ち悪さってお母さんの気持ち悪さで、綺麗事で語られる母性と対になって存在するもんだと思う。そもそも綺麗事で語られる母性を体現するには、これくらいの気持ち悪さがないと無理なんやな。うまくいろいろ書こうと思いましたが、どうも思いが頭の中でいったりきたりなのでこの辺で。あと一つだけ。映画はすごく巧かった。テーマを監督が俯瞰で見れてる証拠だと感じた。時間をかけて噛み砕いてる。
矢沢永吉と糸井さんのお金についての対談も面白かった。これも言葉がいまいちまとまらない。けど、自分にとって怒ることと捨てることがほんとに重要やなと感じた。僕はまだまだ。
恒例リンクシリーズ。読んでみて。
編集技法
http://ws09edit1.blog22.fc2.com/
2010年6月6日日曜日
不良と映画
えー久々に映画の感想を書きます。
興奮したんです。最近デザインの本ばっかよんでて、デザイン脳になってました。デザインは包括的なんです。器がすごく広い。映画はなんて社会のことを考えてないんだ!と思ってました。馬鹿だ、映画は人間でいうと偏差値が低いやつだと思ってました。つまり不良だ。
というわけで最近映画全然みてなかったんやけど、ちょっと見たい映画がレンタルされはじめたので立て続けに見ました。
まず「ヴィヨンの妻」監督 根岸吉太郎
太宰治原作です。日本映画として上質で、見心地がとても滑らかで気持ち良かった。こういう映画を作れる人が職人と呼ばれるのだろうなと思いました。そう思ったのにはいくつか原因が。俳優の行動を写すカメラにカメラ独自の意図があったこと。シナリオの起伏に流されることなく、カメラが全体の物語を考えて、引くときは引き、寄り添うとこは寄り添うといったカメラワークをしていたように思える。カメラがすんごい上品やった。あと松たか子。めちゃ巧い。俳優がどういう計算のもと演技をするのかよくわからんけど、丁度いいと僕は感じた。そういう演技ってあんまりない。全体として、上品な映画世界に贅沢に浸れるなーという気分になった。
というかこの映画の上品な見心地をより正確にひも解くには、もっと古典の日本映画を見ないとあかんね。市川崑あたりの文芸作品を。
今回の作品なんとTV局がスポンサーなんですよ。それなのに、古典を見てるような気分が味わえた。TV屋さんと映画屋さんが仲良くしている感じ。こういう仕事のワークフローって財産やと思います。
次、韓国映画『母なる証明』監督 ポンジュノ
しんどいので今度書きます。この作品すごかった。不良は人間的に時として魅力的です。
以下は映画のシナリオを作る授業。脚本は緻密な設計図。そうか映画は不良やけど頭は悪くないかもしれない。是非読んでみてください。
http://ws09shinarioeiga.blog35.fc2.com/
興奮したんです。最近デザインの本ばっかよんでて、デザイン脳になってました。デザインは包括的なんです。器がすごく広い。映画はなんて社会のことを考えてないんだ!と思ってました。馬鹿だ、映画は人間でいうと偏差値が低いやつだと思ってました。つまり不良だ。
というわけで最近映画全然みてなかったんやけど、ちょっと見たい映画がレンタルされはじめたので立て続けに見ました。
まず「ヴィヨンの妻」監督 根岸吉太郎
太宰治原作です。日本映画として上質で、見心地がとても滑らかで気持ち良かった。こういう映画を作れる人が職人と呼ばれるのだろうなと思いました。そう思ったのにはいくつか原因が。俳優の行動を写すカメラにカメラ独自の意図があったこと。シナリオの起伏に流されることなく、カメラが全体の物語を考えて、引くときは引き、寄り添うとこは寄り添うといったカメラワークをしていたように思える。カメラがすんごい上品やった。あと松たか子。めちゃ巧い。俳優がどういう計算のもと演技をするのかよくわからんけど、丁度いいと僕は感じた。そういう演技ってあんまりない。全体として、上品な映画世界に贅沢に浸れるなーという気分になった。
というかこの映画の上品な見心地をより正確にひも解くには、もっと古典の日本映画を見ないとあかんね。市川崑あたりの文芸作品を。
今回の作品なんとTV局がスポンサーなんですよ。それなのに、古典を見てるような気分が味わえた。TV屋さんと映画屋さんが仲良くしている感じ。こういう仕事のワークフローって財産やと思います。
次、韓国映画『母なる証明』監督 ポンジュノ
しんどいので今度書きます。この作品すごかった。不良は人間的に時として魅力的です。
以下は映画のシナリオを作る授業。脚本は緻密な設計図。そうか映画は不良やけど頭は悪くないかもしれない。是非読んでみてください。
http://ws09shinarioeiga.blog35.fc2.com/
2010年6月5日土曜日
2010年6月2日水曜日
名前をつけてやる
http://ws09presen.blog54.fc2.com/
この記事読んでから自分の名前を何回も書いてみました。すごく難しい。綺麗にかけない。
『徳日俊聡』フォントだとおさまりいいんだけど、手書きだと統一感を出すのが難しい。俊が以外と難しい。
この記事読んでから自分の名前を何回も書いてみました。すごく難しい。綺麗にかけない。
『徳日俊聡』フォントだとおさまりいいんだけど、手書きだと統一感を出すのが難しい。俊が以外と難しい。
2010年6月1日火曜日
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