2008年2月26日火曜日

『中学生』

シーン1 (雨ちゃんの部屋) 

いたずら電話が好きな中学生二人。今日もイタ電話を試みる。

裕也 「雨ちゃん、また名人芸頼むわ」
雨ちゃん 「わかった」

   雨ちゃん、適当に番号を押し電話をかける。

雨ちゃん 「お、かかったかかった」
電話の主 「・・・もしもし」
雨ちゃん 「わしや」
電話の主 「・・・はぁ、ちょっと待って」
雨ちゃん 「わしや」
電話の主 「いや、わし言うてもいろいろあるし、紙の和紙とか、動物の鷲とか、大阪弁
 のわしとか。なんのわしですか」

   雨ちゃんは電話を離して、裕也に言う。

雨ちゃん 「こいつアホや、{わし}の意味わかってないわ、鳥の鷲とか意うてる」
裕也 「(笑いをこらえながら)なんでやねん、いきなり電話で鷲とか普通いうか、雰囲気でわかるやん」

   雨ちゃん、電話に戻り

雨ちゃん 「わしや言うてるやろ」
電話の主 「・・・あ、もしかしてわっしー先輩?」
雨ちゃん 「えっ、そ、そうや、わっしーや」
裕也 「(笑いをこらえながら)誰やねん、わっしーて、どんな展開や」
電話の主 「もう、さっさと名乗ってくださいよ、なんで非通知なんすか。いたずらと思いましたよ」
雨ちゃん 「違うよ」
電話の主 「もう、僕いたずら嫌いなん知ってるでしょう、あ、そうや、ところでどうなりました、あいつ?」
雨ちゃん 「あ、あいつ?えーっと、うん、うん」
電話の主 「なんなんすか、もうやったんでしょ」
雨ちゃん 「ああ、うんやった、やった、あいつスタイル良くてさ」
電話の主 「もうーなに言ってはるんですか、あいつって武田幸輔ですよ。殺したんでしょ?」
雨ちゃん 「た、武田ね。うん、武田は殺した、うん。ああうん、やったったよ。もう死 んでしまうくらいに、ボコボコしたったわ、そっちね、うん」
電話の主 「えっ、ピストルじゃないんすか?」
雨ちゃん 「えっ、えっ、えっ、ピストル?」
電話の主 「言うてたじゃないですか、チャカで殺すって」
裕也 「雨ちゃん、ちょっとなにピストルって」

雨ちゃん顔が真っ青になってる。

電話の主 「わっしー先輩どうしたんすか?」
雨ちゃん 「いや、ちょっと寒気が」
電話の主 「風邪ですか?気をつけてください。あとなんかね、本山からまた殺しの依頼 があったんすよ。しかも同時に3人も殺ってくれって。いや、僕言うたんすよ、いくらわっしー先輩でも 3人同時は無理やって。そしたらくってかかってきたもんやから、腹たってもうてね、僕も短気ですわ、 ぶすって」
雨ちゃん 「・・・ぶすって、ぶさいく方面の?」
裕也 「おいおい、雨ちゃん、何いうてんねん、顔色悪すぎやで」
電話の主 「もう今日のわっしー先輩変ですよ。もちろん、ドスを腹につき刺す・・・」
雨ちゃん 「うわー!完全に殺し屋!!」

   雨ちゃん、携帯をほうり投げる。



シーン2(電話の主の部屋)

中学生の二人組みがいる。

主の友人 「どうなった?」
電話の主 「わからん、怖くてもう聞けなくなったんちゃう、完全に殺し屋って言ってた」
二人 「はははははは」

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