2009年6月13日土曜日

ダークナイト

 昨日はようやくダークナイト。2回目。

 結局のところジョーカーも、ルールに縛られている。とはいえ、ジョーカーはそのことを良く知ってる感じがするから悪役として魅力的だ。

 バットマンはいくら洒落たアメリカンジョークをかましても、強靭な肉体を手にしても、ハイテク兵器を駆使しても、女とのクールなやりとりをしても、自分のことをそんなによくわかっていない感じがして幼い。バットマンが「幼い」ということに物語上の最大の問題があると思う。逆にジョーカーは自分というものを知り尽くしている。自分が一番したいことが出来ない(自分の一番したいことをしている人間はあれほど聡明になれないと思う)。なら何をするか。それが全部決まっている。悲しいくらい自分を知っていて、悲しいくらいに大人なのだ。

 そうだ、ジョーカーに悪に染められる『ダブルフェイス』。あいつが一番しょうもない。情報操作に一番ひっかかるのは、トラウマティックなことを何一つ経験していない無邪気な正義。そんなやつはジョーカーの思うつぼだ。

 映画の最後、バットマンの決断はモラトリアムからの脱却を意味するか、それともさらなるモラトリアムの混迷への突入か。個人的にはモラトリアムを有しバットマンのさらなる進化をみたい。次が楽しみ。

 映像的にはすごいカットがあるよ。病院が破壊するのをワンカットで撮ったとこ。あのときのジョーカーのバストショットはかっこいい。

もっともっともっと映画みたいし、映画の話がしたい。

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