2010年1月31日日曜日

立命でドキュメンタリー2

さあさあドキュメンタリーな日々。

 にしても立命のシアターはすんごい良い。音が凄い良い。あれは最新のサウンドシステムなんだろうな。

さてさて結局2つ見ました。

家族写真

 イギリス人と日本人の国際結婚についての映画です。しかもこの夫婦がこの映画の作者です。良い映画です。良い映画としかいいようがない。アホみたいな感想だけど。イギリス人の奥さん兼この映画の制作者が、この映画を通して、日本を知り、夫の家族を知り、なんつうかここで生きてくのだ!という覚悟が、とーっても上品に、でもすごく力強く描かれている。映画を通して、自分がこの家族の中で生きることを覚悟し、また覚悟してもらう。自分の人生を見据えながら、アートスクール出身の作者が作家としての矜持を失う事なく制作した、私的ドキュメンタリーの優れた作品。

イラン離婚狂想曲

 イランは女性から離婚するのことが、女性の権利があまり認められていないので大変な国。で、そんな中、なんとか離婚を勝ち取ろうとする女性たちが主人公。こういう映画だとフェミニズム運動のような文脈で見られがちなんやけど、それがこの映画は、そんなこと通りこし、主人公たちの欲望が、のっぴきならん俗っぽい感情が、とぐろを巻いていた。
 絶対に絶対に絶対に絶対に納得できない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
おもしろいのは、この映画は女たちが理不尽だということをむしろ隠さない。先進国での倫理観とイランの倫理観という座標軸ではない。どんなに理不尽だろうがみっともなかろうが納得できないというどうしようもない感情、それを持っているがゆえに戦う女たちを映画は写す。この感情の前にはいくら男が正論や権力を振りかざそうと分が悪い。これTVで放映したら視聴率すごいと思う。女たちの俗っぽいパワーが突き抜けすぎていて、気合いをもらいました(敵に回すと恐ろしすぎる)

 あと、イランの裁判所の判事は、ほんとに賢者のように見えた。叙情酌量と法への遵守を上手にバランスをとり、無表情をつらぬき、声のトーンをかならず調節してしゃべる。そして自分の孫にはだけ破顔。この判事のかっこよさも印象的。

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